プロジェクト進捗状況6 (2021.8.31)
◉インタビューの趣旨
介護用品を3Dプリンタで商品化できるレベルまで持ってゆくために、情報を収集していたところ前回のインタビューでお世話になった、横浜市泥亀地域ケアプラザ様より3Dプリンタで自助具などを製作・開発されている横浜市総合リハビリテーション様を紹介頂き、インタビューさせて頂くことになりました。
◉インタビュー対象
横浜市総合リハビリテーションセンター(YRS)
地域リハビリテーション部 研究開発課 畠中様
◉インタビュー詳細
リハビリテーションセンターでは、障害のある方の支援をメインの業務しているので、介護一般で使用されている商品ではなく自助具や車椅子などを見学させていただきました。
1. 介護用品には規定があるのか?
テーマとしている杖は、最もポピュラーであるT杖と4点杖は規定が異なる。
4点杖の方がT杖に比べて、使用者の身体機能レベルは低下しているかたが使用されるのでT杖よりも安全性が高くなければならない。
ただ、強制力のある規定はないが、公的な規格は存在する。
JIS(日本工業規格)は品質を保証するための規格であるが、これを守らないと販売することはできないというわけではなく、推奨されているだけである。 多点杖ではJIS企画があるが、一般的なT杖は規格がない。
SGマーク(safe goods)も同様に強制力はないが、T杖の規格は存在している。この規格を取得していることで、販売の際の売り文句となり規格取得品とそれ以外を差別化することが可能となる。
次に、介護用ベットや車椅子などの大型で電気的なものに関しては、一般的な介護用品に比べ動力があるので、安全性などの特に厳しい規定をクリアしていなければならない
3Dプリンタならではの設計の柔軟性を生かしたデザイン性に富んだものを製作しようと考えていたが、今回のインタビューを踏まえて、まず安全性を重視しその上で多少のデザインを加えることにする。
2.改善の余地がある商品は?
・電気のスイッチや介護用ベットのボタン
障害のある方も介護を要する方も、電気のスイッチをうまく押せなかったり、介護ベットの誤操作が起きてしまうことを防止するために、後付けでスイッチを大きくすることで押しやすくなり、常に使用するボタンに取り付けることで寝たきりの状態でも操作する事が可能となるのではないかと考えられる。
◉製作にあたって重視すべき点
・リスクマネジメントを考える
・利用者か介護者のどちらが取り付けを行うのか決めておく
・規格の有無の確認
・天候・気温・強度・耐久性
◉3Dプリンタの商品例
研究開発課では、3Dプリンタで自助具などを製作されており、いくつか紹介いただきました。
私自身、全てを3Dプリンタで全て完結することに執着しすぎたあまり思考や設計に時間がかかりすぎてしまっていたので、商品例を見せてもらったことでとてもいい刺激になったと思う。
◉ご協力先情報
社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団 横浜市総合リハビリテーションセンター(YRS)
http://www.yokohama-rf.jp